エス弁 | 〜多様な幸せ、生き方弁当〜

日本を飛び出して気づいた、ありのままの自分でいることの大切さ(齋藤真帆:株式会社Vivid Creations)

Vivid Creationsのオフィスが入るビル屋上から。奥にはマリーナ・ベイ・サンズが見えます。

シンガポールから、日本を元気にしている会社があります。
株式会社Vivid Creationsは、日本企業がシンガポールでコンテンツを展開するためのプロモーションやマーケティングを現地でサポートする会社。従業員わずか10名の小さな会社ですが、日本のビッグクライアントを抱えこれまで数々のヒットをシンガポールで生み出してきました。そんなVivid Creationsの創立者であり、現在も代表取締役ながらメンバーと一緒に現場で仕事をこなしている齋藤真帆さん。ちょっとネット検索すれば過去にたくさんのインタビュー記事が出てくる敏腕経営者です。
今回は齋藤さんのパーソナルなストーリーに焦点をあて「働く」ことについて一緒に考えてみたいと思います。

”何者かにならなければいけない”日本が窮屈だった

−真帆さんは26歳のときにシンガポールへいらしたそうですね。
ここで起業しよう、と明確にビジョンを描いていたのはいつ頃からだったんですか?

齋藤
齋藤

実は起業しようとかは全く考えていなくて。とにかく「日本を出て海外へ行こう」ということしか考えていませんでした。

−そうなんですね!

齋藤
齋藤

大抵の人がそうであるように、私も当時は”海外に出ることがゴール”になっちゃってましたね。

−でも、その気持ちはわかります。海を越えて暮らすだけでハードルが高く感じるというか。

齋藤
齋藤

私が逆になぜ「日本で起業」という選択肢を持たなかったかというと。

日本で”女性起業家”や”女社長”って聞くと何となく「強い女性でないといけない」というイメージがありました。
「男社会で頑張らなきゃいけないのよ、私たち」というような。
とくに私がまだ20代前半だった時の日本は今ほど女性の社会進出もされていなくて。

だから女性が会社を経営していくというのは、精神的にも肉体的にも相当大変なことなんだろうくらいにしか思っていませんでした(笑)

−実は私もまさしくそんなイメージを、真帆さんに今日お会いするまで持っていたかも(笑)
ではなぜ、起業するに至ったんですか?

齋藤
齋藤

シンガポールに来てからの環境ですかね。チャレンジしたくなる、というか。

私は日本にいた時に相手をプロファイリングする感覚にすごく違和感を持ってたんです。
初対面の人に「おいくつですか?」「出身はどこですか?」「何してる方ですか?」って聞くでしょう。

それから、年上の人には必ず敬語を使うべきだとか、同郷だったら話が合うねとか。

まず”相手が何者なのか”を把握してから会話が始まり自分の態度を決める、マウンティングみたいなものを感じていて。

−うーん、わかるかも。

齋藤
齋藤

大学生の頃からそれは始まっていて。例えば何を学んで、どこへ就職するのか?というようなこと必ず日本の学生は会話しますよね。

一方でシンガポールは新卒っていう考え方がないんです。
みんな卒業してからやりたいことを考えます。それはシンガポールの独特な環境(家賃が高いので結婚するまで親と同居するのが当たり前など)も後押ししているものなんですけど。

日本だとみんな新卒で”何者かにならなきゃいけない”、”何かを目指さないといけない”暗黙のルールのようなものがありますよね。

私も当時その見えない重圧をすごく感じていました。”何かにならないと社会に存在してはいけないんだ”くらいに。

それで必死に色んなことをやってみるんだけど、どれも中途半端に終わってしまうんです。

その度に「私って本当にダメな人なんだ」と落ち込む。
その横で「私はお医者さんになります」と言って医大へ行く友人がいて、私は「あの子偉いなぁ。すごいなぁ。」ってさらに落ち込む。すごく辛かったですね。

−似たような経験が私にもあります。

齋藤
齋藤

ところがシンガポールへ来たら、誰も私に最初から「何歳?」「どこから来たの?」って聞かないんです。すごくそれが心地良くて。ありのままの自分でいいんだなって思えた。

シンガポールの若者は、さっきの新卒の話もそうですがよくも悪くも少しのんびりしているところがあります。クレイジーな経験をしている子も少ないんです。

彼らと話すうちに、日本にいた時に自分が手当たり次第いろんなことにチャレンジした経験が、自分の中でやっと認められた感覚がありました。
中途半端で取り留めもない経験にしか思えなかったけど、改めてこれまでの自分を誇りに思えたんです。

こうなると、「何かにチャレンジしてみようかな」という気持ちがムクムクと湧いてくるんですよね。

−どうやってやりたいことを見つけたんですか?

齋藤
齋藤

今はたくさん美味しい日本食もありますが、当時(2009年)のシンガポールで”日本食”と言えば、唐揚げとか天ぷらが乗っている風変わりなラーメン屋くらいのもので。

コスメもそうです。日本には良いコスメブランドが多くあるのに当時は全然こちらに輸入されていなかった。

日本の感覚だと”海外のモノ”とくに”アジアのモノ”って少し敬遠気味の姿勢ですよね。
それに、日本の市場はMade in Japanの良いモノで溢れていて、飽和状態。

逆にシンガポールは外資で経済発展した国ですから”海外の良質なモノ”ウェルカムなんです。

この需要と供給をマッチングさせたら面白いんじゃないかって思ったのがきっかけです。

−シンガポールの経済成長のタイミングも手伝ったんでしょうか。

齋藤
齋藤

よかったですね。
当時、気軽に申請したら永住権もすぐ手に入りました。
今や億万長者でも簡単に手に入らないですよ。

母としてシンガポールでの生活を選んだ理由

−ご結婚もこちらで?

齋藤
齋藤

そうです。
シンガポールへ来てすぐに知り合ったオーストラリア人の方と。
彼はジャズドラマーなんですが、シンガポールから芸術分野の発展の為に招致されていて、こっちの音大で講師をしています。

起業には彼の影響もすごく大きかった。
自分の好きなことをして暮らしている彼にたくさん刺激を受けました。彼も私のやりたいことをとても後押ししてくれました。

−なるほど。そうやってVivid Creationsが始まったんですね。
その後、東京にも拠点を作る為に一度日本へ戻られていますよね?

齋藤
齋藤

はい。

シンガポールに来てすぐ彼と付き合ったんですが、
起業前のシンガポールに移住して2年くらい経つ頃、二人で「他の国へ行ってもいいね」なんて話をしていた時期がありました。

というのも、シンガポールには娯楽があまりなくて。
歴史の浅い国だからサブカルチャーやアンダーグラウンドなアートがまだ醸成されていないんですよね。

私たちは二人ともそういうサブカルチャーが大好きだったから、刺激がなくて感性が鈍る!と(笑)
彼は昔から憧れていた”東京”へ行きたがっていました。

ところがこっちで起業することになり、やりたいことが見つかった私にはそれがいい刺激になって(笑)彼には申し訳ないけど「帰りたい」気持ちはまた遠のいていましたね。

シンガポール国内でのビジネスが軌道に乗り、東京に拠点を作った方が動きやすそうだということになったタイミングで、ようやく日本に戻ります。

−でも、そのまま日本には留まらなかったんですね。

齋藤
齋藤

東京には3年いて、結局シンガポールに戻りました。
それは、自分たちの考える家族の幸せな在り方が、日本にいたら実現しなかったからなんです。

東京にいる間に息子を出産しました。
保育園に入れないとか、今日本の働くママたちが直面する仕事と育児の両立を私も2年間経験しました。

シンガポールでは家庭にヘルパーを雇用して、共働きすることがスタンダートになっているそうですね。真帆さんはそういう文化をどう考えていますか?

齋藤
齋藤

子どもが生まれる前は、私も夫も「他人に任せるのは違うよね」なんて言ってました。

でも実際に東京で子育てしながら、シンガポールと日本を出張で行ったり来たりする間に考えが変わっていきました。

シンガポールのママ友に会うとみんな本当にキラキラしているんです。美しくいることを怠らず、旦那さんともとても仲良し。

ところが日本に帰ってくると、ママ友はみんな育児と仕事と家庭とに疲弊しきっている人が多い。私もどんどんその一人になっていくんです。

これまで喧嘩なんてしないカップルだったのに、日本にいる間は夫婦喧嘩も絶えませんでした。

日本の多くのお母さんが「人の手を借りてはいけない。それは母としての怠惰だ」という根拠のないプレッシャーを感じながら頑張っている。その頑張りを肯定しなければいけない社会が、私にはすごく不健康に見えました。

子どもにとって一番大切なことは、親がHappyでいることですよね。

自分のHappyを考えたら、私は”仕事も育児も両方やりたい”と思ったんです。
そこで、シンガポールに戻ってヘルパーをお願いするという選択肢を選びました。

−ヘルパーさんと真帆さんの関係はどんなものですか?

齋藤
齋藤

ヘルパーさんは一人目の面接で決めました。今もその方にずっとお願いをしています。

彼女は家族も同然です。一緒に暮らしていて、私よりも家のことを知っているし、息子のこともとても大切にしてくれています。

メイドさんを迎え入れてから1ヶ月くらい経ったある日、夕暮れにそれぞれ家の中で過ごす家族を見て、何も無いのに泣いてしまったこともあります(笑)なんて私は幸せなんだろうって感じたんです。

もちろん、ヘルパー雇用はうまく行かないケースも色々聞きますし、テレビ番組のニュースで虐待や窃盗などの事件が流れたりすることもあります。
あくまで私の場合は良好な関係を築けている、ということです。

ただ、ヘルパー文化がいいか悪いかというより、大切なことは「自分と家族がいかに心身ともに健康な状態でいれる環境を、責任を持って自分で整えることができるか」だと思いますね。

26歳で”社長”になった苦労と学び

−以前、他のインタビュー(*引用元)の中で真帆さんが『日本にいると豊さに牙を抜かれて、下から引っ張られている感覚』があるとお話されていました。
具体的に日本の働き方に感じることについて聞かせていただけますか?

齋藤
齋藤

同調圧力の強さでしょうか。

みんなが同じでなきゃいけない、こうでなきゃいけないと、暗黙のうちに決まっている気がします。それが私は「地に足をつけなさい」と言われて、下から引っ張られている気になるんです。

シンガポールに来た当時の私は、まるで少し宙に浮いている感じでした。
多民族国家のシンガポールでは、バックボーンが多様なので他人が”何者”であるかを正当化する必要がそこまでありません。”誰かでなくてもいい自分”が気楽だったんです。

そういう意味で、日本は非常に”重力の強い国”だと感じます。

良く言えば、日本の伝統文化やアイデンティティは本当にすごいと思います。
シンガポールは(多民族国家であり、外資によって発展してきたから)ごちゃ混ぜになり過ぎていて、「これが昔からのシンガポールです」というのが無いんです。
ある意味、シンガポーリアンはアイデンティティクライシスなんですよね。だからこそ、アイデンティティを形成することに今注力しているように見えます。

−真帆さんが起業時に苦労したことはなんでしたか?それは”シンガポールだったから”でしょうか?

齋藤
齋藤

いいえ。シンガポールで起業したから、ではありません。

私は人とのコミュニケーションが苦労しましたね。
立ち上げ当時は「社長である自分」に囚われていたんです。あれだけ、日本式の「こうでなきゃいけない」思い込みが嫌いで出てきたのに(苦笑)

29歳の私はこれまでマネジメント経験もないし、初めての起業で「リーダー=みんなを引っ張る人」だと思っていたんです。そしてリーダーとは、「命令する人」だと思っていた。「命令」ですよ(苦笑)そして、命令したことができない人には怒るべきだ、とも思ってた。

本当はそんなことしたくない自分がいたのに、そうあるべきだ思い込んでいたんですね。あの頃は私も含めみんな辛そうだった。

−間違ったリーダー像に気づいた時、それを修正するのは大変だったのでは?

齋藤
齋藤

勘違いに気づいた時期が一番大変でもありましたが、同時に学びの時期でした。

結局、やり方を変えたら成果も出るし、みんなHappyになったし、何より私自身がすごく楽でした。

−どうやってメンバーへ想いを伝えるようにしたんでしょうか。

齋藤
齋藤

今まで毎週月曜日のミーティングで「このスタッフにはこれを伝えよう」と頭であらかじめ考えてたんです。
どう伝えたらわかってもらえるかなと、逆に考え過ぎちゃって。

毎日、日曜日は眠れなかった。明日から1週間が始まるのに、日曜日の夜に眠れないって辛いですよね(笑)

−わかるかも。思考が深ければ深い方ほど、何層にも奥に本音が隠れていて。
聞き手がそういうのを分解することが好きなタイプの人ならいいけど、普通は一番外側の層しか伝わりませんよね。

齋藤
齋藤

そう。それで、カッコつけて伝えることをやめたんです。相手にきちんと愛を持って伝えれば、例えネガティブな内容でも気持ちは伝わる。

今までは「それって私には違和感だな、賛成できないな」と伝えたくても、どう「違和感」という言葉を使わずに「賛成できない」と伝えるかにすごく頭を使っていて(笑)

最近は変に回りくどくせず、シンプルに「それって私には〇〇の理由があって違和感がある」と言うようにしています。

働くとは”自分の持てる全てで社会貢献をすること”

−真帆さんにとって、「働く」とはなんですか?

齋藤
齋藤

自分のスキルや強みを使って社会貢献することだと思います。
それに価値を感じてくれるから、対価がもらえて仕事になるわけですよね。

だから最近はまず、社会の中でどうやって自分が貢献できるかを考えます。
そうすると、今の私はVivid Creationsのメンバーを世の中に活かすことが、社会貢献だと思っています。

Vividのメンバーの働きに感化されてまた他の人が社会貢献する。そのサイクルの繰り返しだと思っています。

−シンガポールの合理的な考え方が根付いていると感じます。
同じ質問を日本ですると、もっと感情論や道徳的な言葉が聞こえてくるかも。
でも”価値”や”対価”という言葉の中に温かみもちゃんとあって、真帆さんらしいお答えですね!

ひとりの女性として、母として、経営者として。複数の顔を持つ齋藤真帆さんはスーパーウーマンかと思っていましたが、お話をしてみるとその経歴は悩みながら選択し続けてきた結果が作ったものでした。
日本が大好きだからこそ、時代の変化によって生まれる窮屈さを感じ日本を離れ、シンガポールから日本を良くしようと奮闘する真帆さんに私も元気づけられました。飾らず、ありのままのお話に共感できた方も多いのでは?
今後も齋藤真帆さんとVivid Creationsの活躍が楽しみです。

サリー
サリー
斎藤 真帆(さいとう まほ)
1979年生まれ。神奈川県横浜市出身。大学卒業後、出版局を経て大手メーカー勤務後、2006年にシンガポールの日系企業に就職。シンガポール永住権を取得。2009年に株式会社Vivid Creationsを設立。2014-2016年「シンガポール和僑会」会長に就任。2016年には (一社)東京ニュービジネス協議会「国際アントレプレナー賞」特別賞受賞。


Vivid Creations
Vivid Creations | アジアと世界をつなぐクリエイティブファーム

本当の女性活躍を目指して–スタッフ全員が時短勤務のママでも成果を出す–(谷平優美:株式会社ルバート)

株式会社ルバート(本社:千葉県船橋市 代表取締役:谷平優美)は、「女性が当たり前に活躍できる社会づくり」を掲げ、企業参画活動『ウーマンエンパワー』の主催をはじめ、子育て支援イベントやママ向けの再就職支援セミナーなどを行っています。スタッフ“全員”が子育て中のママであり、時短勤務やジョブシェアなどの働き方でも注目を集めています。
女性の活躍が活発に議論されるいま、株式会社ルバートの見据える先はただ「女性に優しい社会」とは違うようで――。代表・谷平優美さまにお話を聞かせていただきました。

本日はよろしくお願いいたします。はじめに、貴社の事業内容について少し詳しく教えていただけますか?

菅野
菅野
谷平
谷平

よろしくお願いします。
まず弊社は、リアルマーケティングの分野で、地域密着型の子育て支援イベントを開催しています。各地の商業施設などで行う『ママハピEXPO』は、累計75回以上開催・30万人以上を動員しています。このほか『主婦のお仕事フェア』などの雇用創出のイベントなども多く執り行っていますね。
また、『ウーマンエンパワー』の推進活動や、協賛企業の交流会、セミナーなども実施しています。最近は、文化的にも経済的にも、男女ともに長く働ける仕組みに注目する企業が増えているため、おかげさまで現在130社ほどの企業からご賛同をいただいています。

貴社はこのほかにも、さまざまな事業を行われているそうですね。計画中の事業にも、楽しそうなものが色々あるとお聞きしました。

菅野
菅野
谷平
谷平

月20万PVを超える『ママハピ』というウェブメディアの運営や、2万人ほどの会員に向けてのメルマガ配信、さらに女性向けの再就職支援セミナーや、子ども向けのプログラミング教室も開催しています。
今後は商品レビューや発信をしてもらう動画チャンネルやECサイトも計画しています。
また、子どもが気軽に旅行にいけないという声が多いので、「子連れでも羽を伸ばせる」民泊の準備も進めていますね。

面白そうですね! ちなみに、これらの事業の収益モデルについて、お聞きしてもよろしいですか?

菅野
菅野
谷平
谷平

弊社の事業は、基本的にB to Bです。イベントなども賛同・参加企業のブース出展費や広告費によって賄っており、一般参加者は無料なんです。プログラミング教室などは受講料がかかりますが、金額を抑えて気軽に受講できるようにしています。
日本は、将来を担う子どもと、そのお母さんを温かくみんなで見守る文化が弱いと感じています。
特に子どもが小さいうちは、家事・育児によって孤立してしまう人は珍しくない。だから、誰もが安心して情報を得られ、地域・他者と交流できる場を作りたいというのが、事業の根底にあります。

イベントの様子を拝見したのですが、参加者の方たちが皆どこかほっとしたような表情をしていて、とても印象的でした。

菅野
菅野

従業員全員が子育て中のママ

さて、貴社は従業員体制や雇用形態でも、かなり革新的なものを採用しているそうですね?

菅野
菅野
谷平
谷平

在籍している9名のうち、共同経営者の男性1名を除く全員が「子育て中に時短で働く女性」なんです。私自身も8歳と2歳の育児をしつつ、仕事をしています。
また、正社員の仕事を分割しパートタイムでの採用を主にしています。月間60~110時間、9時半~15時くらいまでの時短勤務で働く人が多く、行事や子どもの都合で柔軟にシフトを組み替えられるようにしていますね。事前申請で、子連れ出勤や、リモートワークも可能です。
また、早朝や夜間の対応はアウトソーシングしています。

どのような経緯で、現在の従業員体制や雇用形態を採用されたのでしょうか?

菅野
菅野

ルバートセミナー資料抜粋

谷平
谷平

はじめは弊社も、正社員スタッフ1~2名+業務委託(在宅)スタッフで運用していました。でも、正社員スタッフの監督域が広く業務量に疲弊したり、孤独感を理由に退職してしまうことがあり。それに加え、私自身の家事・育児との両立という課題もあって、既存の体制では時間的にもコスト的にも厳しいと悩んでいました。
そんなとき、再就職したいママたちと話していたら「やりがいのある仕事はしたいが、扶養内で働きたい」という人が結構いて。すごく驚きだったんです。

つまり、年収を意図的に抑えたいということですよね?

菅野
菅野
谷平
谷平

いまの日本では、扶養控除を受けられないと、中途半端に働いても損だと考える人が多いです。かといって長時間の労働と家庭の両立は困難ですし、支援制度や文化も整っていません。税金や労力を加味すると、扶養内で働くのが妥当と考える人も多いです。

「稼げなくていいので、なるべく働きたくない」層や「たくさん稼ぎたい、バリバリ働きたい」層ではなく、この「適度に稼ぎ、子育てに無理をかけ過ぎず働きたい」優秀な”パワーパート”に訴求できるようなテーマと雇用形態を掲げて、求人をすることにしました。

この”パワーパート”層が求めるのは、どんな職場なのでしょう?

菅野
菅野
谷平
谷平

これは、弊社がもっとも重視していることなんですが、「やりがい」×「働き方のバランス」が両立できる職場だと思うんです。特に、子育て中の女性だと労働可能な条件が限られてくるので、どちらかに偏っているか、どちらもない場合が多いんですよね。でも本当は、両方求めていい。これをサポートできるような、より多くの企業や社会の仕組みづくりが必要だと考えています。
ただ、その分高い時間対成果は求めます

この層を採用して人数を増やすのはコストが増えるのではないかと懸念される企業もいますが、時短勤務のスタッフは本人の希望の働き方に合わせて社会保険加入は対応しますので、フルタイム勤務の正社員1人と時短勤務の3~4人のコストは、結果的にほぼ同等でした。人数確保もしやすくなることが周知されれば、企業側もより当事者に寄り添った仕組みづくりに積極的になれるかと思います。

子育て家庭だけでなく介護を理由に働けない層にもアプローチできそうですね。

菅野
菅野

女性たちよ、キャリアを中断するべきではない!

谷平さまご自身も、子育て中の女性の当事者として、働き方に悩まれた時期があったとか。当時、どのようなことを感じたか、お教えいただけますか?

菅野
菅野
谷平
谷平

私は、7年ほど人材業界でバリバリ働いていました。結婚を機に退職し、第一子の出産後にまた働きたいと思ってゆるくスタートしようとしたんですが、それはもう大変でした。
そこそこキャリアがあったのに、家事・育児をしながらでは条件が合わないし、やりたい仕事もなかなか見つけられなくて。前の職場は男女の差が本当になかったので、結婚・出産後にはじめて「家のことはすべて女がするのが当たり前」という文化的な圧力を感じたときは驚きでした。
それでも、早く新しい働き方を確立したいと思っていたので家事・育児をワンオペでこなしながら働いたんですが、待機児童を2年経験したことで、体力的にも精神的にも限界だったんですよね。
日本はライフイベントなどを機に制約ができた人材に厳しくて、当事者たちもそれを我慢してしまっている。このおかしな状況をとにかくなんとかしたくて、具体的な事業のビジョンが立つより先に、会社を興そうと決意したんです。

それは、本当に大変でしたね……。同じような状況だと、働きたい意思があっても「今は難しいから、落ち着いたらにしよう」と先延ばししてしまう人も多いのではと思います。それでも、谷平さまが早く働きたいと思ったのには何か理由がありますか?

菅野
菅野
谷平
谷平

「落ち着いたら」というのは、私の周りでも本当によく聞きますね。でも、”いつか働きたい”なら新しい一歩を踏み出すのはなるべく早い方が中長期ではプラスです。
こういう人は、責任感が強かったり、完璧主義だったり、自信がなかったりする人が多いのですが、先延ばしするほどブランクが長くなるので市場ではどんどん不利になることがあります。
すぐには、理想の仕事が見つからなかったとしても、何か始めることで本当に望むものが分かることがありますし、早い成長にも繋がります。自分が本当に納得できる選択肢とは何なのか中長期で考えることが大切です。
例えば本音では、 働くことに挑戦したいけれど、家族のために我慢をしているなら今すぐ動くべきです。たとえば、万が一、夫が事故や病気で働けなくなったとき、自分にキャリアがあれば幾分もましでしょう。子どもに手がかからなくなったとき、育児だけに打ち込んでいたら自分を見失わないですむという声が多いです。
結婚・出産しても「誰かのために自分を犠牲にする」必要はない時代。だから、 時間配分は子の成長に合わせてとはいえ、母ではなく個人としての自分も大切にしておきたいと感じてきました。

仕事は、経済的な側面のみならず、自己実現や自立などのメリットもある、と。目から鱗でした……!

菅野
菅野

“ジョブシェア”は、社員定着のカギ

さて、就労体制についての質問に戻りますが、時短勤務のスタッフをメインに切り替えたことで、実際どのような変化があったのでしょうか? 

菅野
菅野
谷平
谷平

フルタイム勤務でも回しきれていなかった業務を本当に回せるのか、私自身も不安を感じていました。そこで、試行錯誤しながら、稼働時間が少なくなったぶん時間対成果を上げる工夫は重ねました。

具体的には、どのようなことを?

菅野
菅野
谷平
谷平

業務内容は全て細かいレベルのタスクを可視化し、さらに属人化を避け、“ジョブシェア”を徹底したんです。
たとえば、取引先とのメールにはCCにプロジェクトメンバー全員を入れて、担当者以外も進行を把握できるようにしています。進行中のタスクは定例会議とITツールで管理して、資料は個人のフォルダではなく社内の共有サーバーに置くようにしました。
担当者の不在時にも、誰かがその代わりを担って助け合うので、業務が滞らないんです。
ジョブシェアは社内だけではなくて、早朝や深夜帯、出張などの業務は外注しています。時短の従業員が動けない時間を、むしろ働きやすいライフスタイルを持つ人たち――たとえば、男性も多いですが――に担ってもらったほうが、合理的です。

社内のコミュニケーションで、工夫していることはありますか?

菅野
菅野
谷平
谷平

社内のやり取りは、メールやFacebook、Lineをやめて、Chatwork(チャットワーク)を使っています。ここにはどんな些細なことも書きこむようにし、いちいち状況確認は不要、全員の情報レベルを揃えています。
プロジェクトごとにスレッドを立ち上げているので、履歴を見れば誰もが進捗を把握できますし、小さな疑問や状況を共有できるので、無駄な誤解や指示待ちが無くなりました。
この制度を取り入れたおかげで、弊社は結果的に従業員の満足度・定着率もかなりあげることができ成果の質も上がりました。

ルバート流、従業員育成

高い時間対成果を上げるためには、相応のスキルが必要ですよね。仕事にブランクがある女性が多いなか、どのような従業員育成を行っていますか?

菅野
菅野
谷平
谷平

スキルに自信がないと言う女性は、本当に多いです。
反対に、自分の相場観がない人も多いです。
社会人デビュー後、裁量権もほぼないうちに、結婚・出産などで退職し、しばらく働いていなかったという方でも、本人評価とは裏腹に、ポテンシャルは高い人も多いんです。
だから、はじめは丁寧にOJTを行って感覚を取り戻してもらい、チームでフォローしますし、ビジネスの基本スタンスや経営的な考え方もインプットするようにしています。
私自身も、月1で面談を行って本人の負担や課題を共有し、解決できるように尽力します。そして、弊社の考え方や仕事の仕方を理解できたと思えたら、どんどん裁量権を渡します。進捗は常に把握できているので、私が見ていて「これはさすがに違うぞ」となったらすぐに突っ込めますし、自分で考え判断する力は場数が必要。適切なフォローも必要。これがもっともスキルアップに効果的ですし、なにより重要な「やりがい」を感じてもらえるので。

なるほど! そういえば、貴社はどのように社員を評価しているのですか? 「やりがい」を感じるには、正しく評価されているという感覚も不可欠かと思います。

菅野
菅野
谷平
谷平

そうですね。弊社では、オリジナルの査定シートを利用しています。「判断力」「チーム協働」「主体性」「職務のスピードと質」など20の項目に対し、5段階で評価をつけています。
各業務の担当割合や目標、本人の実感などを話し合ったうえで、基準に沿ってつけた査定シートの評価を半年後に社員に共有します。パート入社で正社員に昇格した方もいます。
本人評価と、企業評価をすり合わせることが大切だと思うんです。半年ごとの査定や月1の面談でも、たとえば本人が頑張っているつもりでも、ここがこうなったらより会社としては評価できた、というように具体的な事例も入れて努力の方向性がずれないように意識しています。
単なる給与や賞与の増減のためではなく、査定は成長してもらうためのものなので。

(査定シートを見ながら)通知表のように項目が細やかですね! これで評価してもらえたら、なんだか嬉しいです。よくある企業の査定って、上司の主観やプロジェクトの運次第で、評価基準が曖昧なことも多いですもんね……。

菅野
菅野
谷平
谷平

仕事の演出だけがうまい人もいると思うんですけど、心証よりも実際の目標達成速度や貢献度で判断したいので、間違った評価をしないよう努力しています。
この評価に基づいた具体的で明確な話ができるので、スタッフの指導をする際にも有用です。

「パートなのに求められることが高すぎる」という人は文化が合わないでしょう。弊社が求めているのは雇用形態に固定概念をもたず稼働時間は最大限の成果を出す方です。実際に「働きやすいのにやりがいと裁量があり楽しく感謝している」と言ってくれる方が活躍しています。

なんとなく、「パート」には「誰にでもできる仕事」というような、少しネガティブな意味合いが含まれてしまっていますよね……。社内での呼称についてなど、何か意識されていることはありますか?

菅野
菅野
谷平
谷平

「パートのおばさん」みたいなイヤな表現で使われたりしますよね(笑)本来は就労形態の名称に過ぎないですし、業務内容も「パート」=「簡単なもの、責任がないもの」という概念ではなく、時間の自由がきくが、働いている時間は雇用形態に関わらず成果を出したいという仕事のスタンスの方を求めています。
意識の統一のためにも、社内や求人では「パートさん」と呼んだことはなく、“スタッフ”あるいは“従業員”という呼称で統一しています。
対社外の説明などでどうしても必要な時などは、就労形態の分かりやすい表現として用いることもありますが、なるべく避けるようにしています。

このほか、社内の士気を高めるために実施していることはあったりしますか?

菅野
菅野
谷平
谷平

シフトが全員揃う日が少ないので、月2回はスタッフ全員でミーティングをしています。
月1でおいしいお店をセッティングして、定例ランチもしますね。時短勤務だと、雑談の時間すら惜しいので、思いきって仕事とは関係ない場所で楽しく話せる時間を設けるようにしていて。
このほか、年2回「ファミリーデー」があります。子どもも一緒に、家族ぐるみでスタッフが交流できるイベントですね。前回は、収穫体験に行きました。チームからのコメントを感謝状にして渡したり、忘年会は時短家電など豪華な賞品でねぎらったりもしてます。

楽しそうですね! 仕事は仕事。でもきちんとメンバー間の結束が成り立つようにしていると感じます。

菅野
菅野

女性スタッフの強みと弱み

仕事をするうえで、子育て中の女性スタッフが大半であるがゆえの強みを感じることはありますか?

菅野
菅野
谷平
谷平

あくまで傾向ですが、細やかで柔らかいコミュニケーションが得意だったり、共感力が高い人は多いと思います。あとは皆、子育て中という同じ環境に置かれているので、互いに助け合おうとする感覚も強いです。ここが、ジョブシェアなどの弊社の働き方にうまくハマっていると感じますね。
もちろん、傾向としてあるだけですべての女性に当てはまるものではないですし、こういう働き方が得意な男性もいると思います。女性が多いゆえのネガティブな面もありますしね。

どのあたりがネガティブな面だと感じますか? 

菅野
菅野
谷平
谷平

要点の整理が苦手で、会話が脱線したり長くなったりしがちです。交渉したり要望するのが苦手な人が多い傾向かなと。女子グループにありがちな、言うべきことをはっきり言えない「馴れ合い」の集団にならないようにしようという話もしますね。
ビジネスの場なので。締めるところはきちんと締められように、定例会議や個人面談で意識をすり合わせています。
あくまで成果あっての働きやすさ。各人がその場でできることをこなしてもらっているんです。今はチームの雰囲気もとてもいいですね。

ルバートの目指す世界

貴社の企業命題は、どのようなものですか?

菅野
菅野
谷平
谷平

現在は我々も当事者ということもあって「子育て中の女性」に働きやすい環境に焦点を当てていますが、弊社の企業命題は『誰もがしなやかに変化し続けられる社会に』なんです。ですから、女性・男性関係なく、どんな状況に置かれた人もそれぞれが求める人生や働き方を追求できるようになるといいなと思っていて。介護や体調、人生観などさまざまな選択によって、現在は退職したり望まぬ状況に身を置く人が多いじゃないですか。いずれは、誰もが状況に合わせて働き方を選べる社会になればいいと思っているんです。

確かに、男女関係なくより自由な働き方が求められていますよね。その点でも貴社の就労体制は多くの企業にとって有用ではないかと思います。

菅野
菅野
谷平
谷平

実際に導入を検討される企業さまから相談を受けることもありますし、再現性のあるものだと思います。まるっきりこのままの形というのは難しいかもしれませんがカスタマイズは可能かと。
ジョブシェアや綿密なコミュニケーションは、ひとりよがりの人が混じってしまうと成立しなくなってしまいますし、仕組みや文化の整備にそれなりに手間はかかります。
けれど、働く人それぞれが求めることをこうやって社会に発信していくことで、企業がそれに応える土壌は少しずつできてきていると思います。

自分の変化がやがて日本を変える

貴社は、『ウーマンエンパワー』などで企業とのかかわりも多いですよね。実際のところ、女性の社会進出についてどのように考えている企業が多いですか?

菅野
菅野
谷平
谷平

正直なところ、男女ともにより働きやすい環境づくりを本気で推進している企業も、なんとなく流行に乗っている企業も、どちらもあると思います。でも、優秀な経営者ほど必要性を感じているように思いますね。なぜなら、働きやすい環境を整備することで、男女ともに優秀な人材を集めたり成果を出せる可能性が高まるからです。
たとえば『ウーマンエンパワー』に参画して「女性が働きやすい」PRをした企業は、男女ともに求人応募数がかなり増えたと聞きました。若い世代の男性は、育休が取れるかを重視する人もいるそうですし、女性に優しいなら男性にも優しい企業だろうと思われやすいんでしょうね。入り口はそういった「儲かる女性戦略」的な切り口であっても、企業に関心を持ってもらえるならいいと思います。

特に、男女平等という文脈の話では、男女のすれ違いやいがみ合いが起こることも多いように思います。どうすれば、互いを理解し合い、よい関係を築くことができると思われますか?

菅野
菅野
谷平
谷平

対立構造をつくってしまうこと自体が不毛ですよね。
ただ恋愛は別として(笑)、仕事の場で性別の話をするのが嫌いだった私から見ても、日本はかなりの後進国です。「男女平等」という概念も「女性を優遇しろ」という話では決してなくて、全ての人が努力に対する相応の成果を手にできる社会で日本の生産性を上げていこうという話なわけで。では、どうやって様々な違いがあるうえで、企業生産性を落とさず不平等を減らすかというと、家庭や企業の努力だけでは不十分で、国が制度をあげて解決すべきだと思っています。

政治的な改革こそが必要だと?

菅野
菅野
谷平
谷平

個人、民間でできることは始めるべきですが、たとえば、少子化が叫ばれるなか、子どもを持つ家庭ほど困窮・疲弊するのであれば子どもを産みたい人は減るに決まっています。扶養制度の条件や、幼稚園と保育園が分かれているのも合理的ではありませんし。
怒りの矛先を、見えるもの――たとえば、家族とか会社とか、異性とか――に向けがちですが、大事なのは社会構造を改善していくこと。
当事者が声を上げれば、理解が進み、危機感やメリットを感じれば企業や行政も動くでしょう。
東京都も再就職支援に力を入れ始めており、弊社も運営に関わっています。まずは、声をあげないといけない。だから私はこの会社を起業したんです。

我慢するのはやめて幸せの為に変化しよう

ソウルウェア代表の吉田氏はリモートワークを主体とし、18時には仕事を切り上げて奥様をサポートするために家事や育児なども積極的にこなしているそうです。こういった新たな仕事や家庭観を持つ男性も増えてきているような気がしますが、谷平さまの実感としてはどう感じることが多いでしょうか?

菅野
菅野
谷平
谷平

若い世代――特に平成生まれは「男だから/女だから」という意識がそこまで強くない人が多いように思いますね。上の世代も、吉田さまのように当たり前に受け入れている人も少なくないんですよ。まだ「昭和の価値観」を引きずっている人たちも実は悪気があるわけではなくて、古いOSをアップデートできていないだけ、という場合も結構あるんです。

新たな価値観を受け入れる人は、どうすれば増えていくと思いますか?

菅野
菅野
谷平
谷平

高度経済成長期は、女性が家事・育児で男性が仕事というシステムが効率的だっただけで、いまは女性も働かないと経済的にもライフスタイルとしても厳しい場合がほとんどですよね。
なのに、なぜか女性は家事・育児負担が変わらないまま働くのが当然のようになっていた。働き方が変わったのだから、家庭も変わらないといけないことに、誰もが薄々気づいてはきています。ただ、変化を受け入れるのは大変だし、特に男性はいまのシステムのほうが楽だと感じる人や変えたくても職場が変わらないとストレスが溜まっている人がいるのも事実でしょう。ただ理解し合うために発信し、議論していくことは大切だと感じます。

それは、家事・育児をしつつ仕事をする現状に不満を持つ女性たちにもいえること、ですね。

菅野
菅野
谷平
谷平

そうなんです! 女性たちも、我慢せずに声をあげるべきなんです。パートナーへの不満を抱える多くの人が、何も言わずに察してもらおうとするか諦めているケースの多いこと。気持ちは分かりますが、身近にいても所詮は他人なので、理解してもらうためには自分も努力しないといけないんですね。きちんと話し合ったらすんなり解決したというケースは、驚くほど多いです。

たとえ収入や労働時間に差があっても、家庭労働を多く担っていることにもし納得感がないのであればきちんと家族の将来のために話し合うべきでしょう。
私も、はじめは夫と喧嘩ばかりでしたが、それでも諦めずに話し合いを続けました。いまでは、夫自身が率先して仕事を早く切りあげ、家事や育児に取り組んでくれるようになりました。良い意味で、以前の生活とは雲泥の差がありますね。

言い合いになるのが恐い、あるいは面倒だと思ってしまう人も多そうです。
パートナーに自分の本音を伝えるための、コツのようなものはありますか?

菅野
菅野
谷平
谷平

これは、仕事と同じだと思うのですが、家族にとってのメリットを伝えたり、事実と感情をいったん切り離して論理的に話したほうが伝わりやすいのと、例えば家庭タスクと負担を可視化したり、なるべく細かく具体的にお願いすること、できれば裁量権をもたせ途中で口を出さない・自分のやり方を押し付けない、できた部分を褒めてやりがいを持ってもらうこと、などだと思っています。
そして、話し合いをするときは、パートナーを責めるのではなく文化や社会に問題があることを前提として、自分の罪悪感を捨てて腹を割って話すこと、だと思いますよ。

女性としての今後の働き方など、私自身、これまで捉われていた窮屈な常識を壊していただけた、嬉しい驚きのあるインタビューでした。
最後に、谷平さまと貴社の、今後の展望を教えてください。

菅野
菅野
谷平
谷平

いずれは仕事において性差ではなく、個人差で語られるのが当たり前の社会、様々な立場の人たちが、当たり前に企業に貢献できる社会になるといいなと思っています。そのために、弊社自身も実験台として模索を続けていますし、今後もできることから少しずつ活動の幅を広げていきます。

事業や従業員体制から「子育て中の女性に優しい」企業かと思いきや、「日本の悩めるすべての人」への熱い想いと冷静な視線、そして圧倒的な先進性を持つ企業でした。谷平さまの素晴らしい行動力に、自分自身も何かポジティブなアクションを起こしたいと思えるインタビューでした。
株式会社ルバートの、今後の活躍に注目です。

生き方のお弁当に、
たくさんの幸せを詰めよう

「お弁当」と聞いてあなたが想像するのはどんなものですか?

家庭によって、容れ物も中身も違うお弁当。
お母さんお父さん、おばあちゃんの手作り。
コンビニで買ったパンやおにぎり、
出来合いのお惣菜詰め合わせ。

その思い出は常に温かいものではなく、
人によっては悲しいものかもしれない。

すごく個人的で、多様。そして正解がないもの。それがお弁当です。

働くということ。

会社勤めの人
職人
命をかけて国や人を守る人
専業主婦(主夫)

給料や内容、楽しさ・やりがいだけでは測れないもの。
そしてやっぱり、
すごく個人的で正解がないところがお弁当と似ています。

友達のお弁当を覗いた時やおかずを交換した時の新しい発見も楽しい。 これは仕事上のアイデアや意見交換とも通じていますね。

みんなで食べるのか、一人で食べるのか。
そのロケーションは?

そういうお弁当の幅広さ・奥深さと
人それぞれ違う「働くこと」
「幸せの捉え方」の気持ちを重ねて、
多種多様な表現ができるメディア、それがエス弁です。

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