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”福業”座談会〜名嘉あづさ×林先生×ノンビン〜vol.1〜

ソウルウェアが提唱する”福業”(=収入や利益先行の仕事ではなく自分の幸福の為にしている仕事。)
これを実践している3名のゲストに、なぜ福業を始めたのか?どうやって両立しているのか?始める為に必要なこととは?など、みんなが気になるアレコレを本音で語っていただきました。

ゲスト紹介

ファシリテーター 名嘉あづさ 株式会社MOVEDコミュニティマネージャー・ワークショップファシリテーターとしてイベント企画・運営、ブログのライティング等を行う。新卒で自動車関連部品メーカーに就職、サービス企画やダイバーシティ推進業務に従事し、退職。
趣味のアウトドアが高じて自宅をログハウスに。夫婦のアウトドアライフを
YoutubeInstagram にて情報発信中。
SE×社労士 林 雄次大塚商会株式会社にてシステムエンジニアとして15年以上の勤務経験がありながら、自社「はやし総合支援事務所」で【ITに強い社労士】として企業の働き方改革をワンストップでサポート。また、エンジニアの経験を生かしkintoneを活用した業務改善コンサルタントとして、中小企業から大企業まで、多くの顧客企業で業務改善の相談役も担っている。社労士・行政書士といった専門的資格を複数保持。
SE×合同会社ノンビンビーン 星野 智久新潟県に住みながら、kintoneにフルコミットしている東京の企業「株式会社ジョイゾー」に在籍し、フルリモートワークという新しい働き方でkintone開発を実践する。最近では働き方を生かして、ドバイでリゾートワークなども実践した。
また、福業として「合同会社ノンビンビーン」を設立し、本業でできたゆとり部分で、仲間とやりたいことをビジネス化することを行なっている。

”福業”が形になるまでの軌跡。

名嘉
名嘉

本日はよろしくお願いいたします!
私は今、株式会社MOVEDでワークショップファシリテーターとコミュニティーマネージャーをしています。その他ライターをしたり、Youtube配信を始めたりと、色々手を広げていて、どうやったら毎日楽しく仕事ができるか模索しているところです。

これまではもともと新卒で入った会社で10年くらい働いていました。新しい働き方にチャレンジしたくて今のスタイルに転向したんですが、まだまだ迷いも多く・・・。今日は自分も勉強する気持ちで進行していきたいと思います!

それではさっそく、福業を始めたきっかけを教えてください。

単なる「違うフィールドで働きたいから」「お金を稼ぎたいから」ではなく、幸せの”福”がつく福業を選んだのはなぜなんでしょうか?

私の場合はまだ”福業”になれてるかわからないんですが。

本業は大塚商会でSEをしています。会社内で色々な研修を行ううちに、もっと役立てるためにエンジニア系の資格からビジネスに関わる資格、宅建や社会保険労務士など様々な資格を取り始めていたんです。

ある日、奥さんが会社を辞めたいと言い出した。賛成はしたものの、いざ辞めるとなると家庭の収入に対して身構えるところがありました。そこで、取ったものの活用していなかった資格を使って、自分の活動範囲を広げて行ったんです。

林先生
林先生
名嘉
名嘉

なるほど、じゃあ最初は単純に食いぶちを広げるための所謂「副業」からスタートだったんですね。

そうですね。
本業のエンジニアとして関わるお客さんと、業務関連のシステム開発に携わりながらITコンサルティングや社労士としてアドバイスするうちに今の形になりました。

今は奥さんも社労士を目指して勉強中です。ゆくゆくは林家で企業の様々な課題をトータルに解決できるようになりたいですね。

林先生
林先生
名嘉
名嘉

私も将来的には夫婦で仕事がしたいと思って頑張っているので、この後もっと詳しく話が聞きたいですね。

ノンビンさんは何がきっかけで合同会社ノンビンビーンを設立されたんですか?

好奇心や疑問からですかね。
どうでもいいことかもしれないけど、ふと”缶蹴り”って、小さい頃遊んでいたのに大人になるにつれてしなくなったなーって思ったんです。なぜしなくなったのか?と考えたら、ビジネスにならないからかなって。
でも本当に缶蹴りってビジネスにならないの?それを本気でやろうとした人が今までいなかっただけなんじゃないの?って思ったのがきっかけです。

ノンビン
ノンビン

例えば<髪を触るのが好きだから美容師になる>とした場合、そもそも美容師という仕事を知っているから、その選択肢になる。目指す先が見えるから、それが好きになるんだと思うんです。
でも「好きなことからビジネスを作る」ということができたら面白いんじゃないかと思ったんですよね。

ただ、普段はジョイゾーでSEとしてシステム開発をして働いているので、どうやってやればいいのかなーとモヤモヤ悩んでた。
そしたら、ジョイゾーの琴絵さん(代表取締役の奥様でジョイゾーでも勤務)がある日急に、ジョイゾーで働きながら釧路に会社を立ち上げることにしたと言い出したんです。「え、それできるの?」という感じで(笑)

誰もやってないことをビジネス化する会社をやりたいな、と改めてその時に思ったし、すごくそれは勇気になった。

名嘉
名嘉

すごい!代表の奥様がそういうことを率先してやってくれるって、一番やりやすいですね。
それに賛同する仲間がいて、すぐにノンビンビーンが設立されたわけですね。

はい。友達とか、かつての仕事仲間とか。みんなそれぞれ、ちゃんと本業があって。その時はマルチな意味の「複業」に近かったかもしれない。本業と、違うことがやってみたかったという感じで。

ノンビン
ノンビン
名嘉
名嘉

なるほど。
例えば缶蹴りのアイディアが浮かんだのは何かきっかけがあったんですか?

お風呂の中です。いつもアイディアが浮かぶのはお風呂。子どもを洗って先に出して、一人になった時に。鬼ごっこやかくれんぼは芸能人が実際の街中でやるテレビ番組があるように、ビジネスになってるじゃないですか。でもなんで缶蹴りは難しいんだ?というところから。今まで見えてる価値を、違う角度からみてみると発見がある。

ノンビン
ノンビン
名嘉
名嘉

そこからドラム缶に至るわけですね。

そうです。最初は、ドラム缶でピザ窯を作って海外でレンタルしたくて。まだ誰もそういうビジネスをやってないなと思ったので。

そしたらメンバーが「ドラム缶ならお風呂の方がよくない?」と言って。それだ!となって、利益なんて出なくてもいいからとりあえずやってみよう、とサービス化してリリースして、始めて二日後に注文が。海外ではなくて国内からの注文だったけど(笑)

ドラム缶でお風呂沸かすの楽しい!だけで始まったものがイベントを開催して広めていったら注文がきた。最初は驚きましたね。

ノンビン
ノンビン

構えてないと最初に来た注文って驚くよね(笑)

林先生
林先生
名嘉
名嘉

あはは(笑)
でも、一応「ノンビンビーン」は合同会社ですよね。

”会社”という形をとると、私のイメージはやはり利益優先というか。利益を出せって言われてしまうイメージなんですが、赤字でもいいからやってみようと思えるパワーはどこから来るんでしょう?

うちの場合はさっきも言ったように、メンバーが全員本職を持っています。本業でしっかり昼間は働いていて、食べていけてるからこそ「楽しいことに投資しよう」と思ってる。

だから、面白くないと思うことは逆に絶対やらないんです。実験場が作りたかったんですよね。

ノンビン
ノンビン
名嘉
名嘉

なるほど〜。”楽しい”という気持ちだけである種成り立ってるんですね。

でも最近はオンラインコミュニテイなど、会社という組織にしなくても楽しいことをしようよっていう場所は増えてますよね。利益なしに楽しいことを実現しようという場所は他にもある気がしますが。逆にわざわざ「会社」という形をとったのはなぜなんですか?

「覚悟」ですかね。ビジネスにするということは、3年後でも5年後でもいいから、いつかは利益が出るように考える。本当に”遊び”だけじゃなくて。そうすると、本気で考えるようになるじゃないですか。

ノンビン
ノンビン
名嘉
名嘉

うんうん。例えばオンラインコミュニティのような場所が本気ではない、というわけじゃないけど、正直嫌だったら抜ければいいだけの世界。でもノンビンさんは自分たちの会社にすることによって「本気の遊び」にしたわけですね。

「利益度外視で」という点では、林先生のはやし総合支援事務所はどうですか?

度外視している訳では無いですけど、短期的な活動1つ1つが利益としてプラスになっていなくてもいいかなとは思っています。採算が多少合わないかなと思っても、面白そうな話をいただいたらやってみる。
チャレンジしないとそのさきにあるものは得られないですからね。なんでもかんでも引き受けてやっている中で、もちろん失敗もあるけど、また次の話をもらえることにも繋がっている。

一方で、自分の会社の宣伝費など、ケチらずに投資するべきところは時間もお金も使っています。

林先生
林先生

ブランディングとか広報に矛先が向かってるんですね。

ノンビン
ノンビン

プロモーション活動への先行投資って、企業に属しているとなかなか自分でできないけど、自分の会社ならそれができるじゃないですか。

大塚商会の中だと「SE」という職種に縛られてしまうんだけど、その枠をとれば「林雄次」個人で勝負できる。

林先生
林先生
名嘉
名嘉

思ったんですけど、そもそもなんでこんなに資格持ってるんですか?(笑)

20〜30個あるんですけど(笑)国家資格など取得が難しい資格の保持者としては国内有数かもしれないですね。

大学生の時は社会福祉を専攻していて、人の役に立てる仕事がしたかった。でも当時、大卒で選ぶには収入も労働時間の過酷さも、社会福祉士は選びづらかった。
それで、パソコンが得意だったこともあり、IT経由で人の役に立とうと思ってエンジニアになったんです。最初はIT関係の資格から始めて。取り尽くしてしまった(笑)

林先生
林先生

(林先生の保持資格を見ながら)だって、システム監査とかありますよ(笑)

ノンビン
ノンビン

そうそう(笑)
それでも、見境なく取ってる訳ではなくて。
人の役に立つ時に、使える資格に裾野を広げて社会保険労務士などを取ったんです。

自分が眺めてニヤニヤするだけでは嫌で、人の役に立てるようにっていうのは根底にありますね。

林先生
林先生
名嘉
名嘉

それで、林先生というプラットフォームができたんですね(笑)

せっかく持っている資格も、持っているだけでは勿体無い。
それで先に話したように、家の事情もあってSEの仕事をしながら客先で相談を受けたりしているうちにどんどん広がっていったんですね。

ITのわかる社労士さんって意外といなくて。士業って紙ベースのイメージあるじゃないですか。それとITが結びつかないというか。でも、ニーズは結構あって声かけてもらうことも多くなった。「IT×士業」の掛け合わせがウケたんです。

林先生
林先生
名嘉
名嘉

狙った訳ではないけど、結果的にニーズがあったという感じですね。

会社としての”福業”、どうしてる?

名嘉
名嘉

二人とも根本には「失敗してもいいや」というマインドがあるんですかね?

失敗の定義づけだと思っています。
成功や失敗は人につけられるものでは無いですよね。
自分の中で、いかに理想に近づくかの話で。諦めるか、やり続けるのか、切り捨てるかの三択だと思ってるんです。
成功か失敗で考えるから、足が止まる。
そうじゃなくて結果的に何が起きたか、それだけでしかない。

ノンビン
ノンビン

その瞬間のスナップショットでみると、失敗っぽい・成功っぽいとはなるかもしれないけどね。
全部の瞬間が繋がって、結果ってできていくものだから。

林先生
林先生
名嘉
名嘉

長い目でみるのが大事なのかなって思いました。
そういえば私は、人生100年時代とも言われる世の中のことを考えたときに、前の会社で働き続けることに違和感を感じて、やめたんですよ。新しいことに挑戦したいって。

ある程度大きな会社や組織で考えると、期ごとで結果を出さなきゃいけなくなりますよね。そうすると、そもそもどんな行動も結果ありきになってしまいがち。でもそれって面白く無いなって。結果が見えないのが面白いと思うんだよね。

林先生
林先生
名嘉
名嘉

そうですね。

また会社の中だと「評価」があるじゃないですか。それでお給料が変わったり、他人から評価の中で生きなきゃいけない。
福業として、「会社」というスタンスをとっているお二人はどうやって「評価」というものを考えていますか?

ノンビンビーンでの評価は、みんながやりたいことをプレゼンし、「面白いか面白く無いか、どれだけ仲間を巻き込めるのか」が基準になっています。

それで貰えるお金に差が出るとかはなくて、その代わり個々のブランディングへの反響が変わる。発起人をノンビンビーンのその時のプロジェクトの表に出して、世の注目を集めることに投資してもらえる。
結果的にその人自体に興味が集まるので、本業でもノンビンビーンでも名前が売れることになります。

ノンビン
ノンビン

僕の場合は資格という武器はたくさんあるけど、武器だけあっても戦い方や守備がないとどうにもならないじゃないですか。日々の付き合いの中で、「今仕事探してるんだけど〜」という友人がいれば「あ、じゃあうちの会社のこの分野で仕事する?」みたいな感じで声をかけて、仲間が集まってできた。それが「はやし総合支援事務所」なんです。
みんなが心地よく、得意分野でのびのび仕事してもらっているので、ノルマとか物差しを与えていません。

林先生
林先生
名嘉
名嘉

なるほど。やっぱり”好きなこと”をしているのが前提にあるから、あくせくしたり、評価の為に無理をしたりみたいな、窮屈さはないんですね。

vol.1はここまで!次回は「ライスワーク」「ライフワーク」の違いや、「福業するために本業の会社から理解を得るには?」「実際ハードワークじゃない?」など、もっともっと本音に迫った話へ、座談会は進んでいきます!
vol.2を読む

編集者

サリー

サリー

ソウルウェアの広報サリーです。エス弁の記事企画、取材、ライティングなど。ミニマルな考え方やデザインを支持。好きなものはレモンサワーと動物と植物。

生き方のお弁当に、
たくさんの幸せを詰めよう

「お弁当」と聞いてあなたが想像するのはどんなものですか?

家庭によって、容れ物も中身も違うお弁当。
お母さんお父さん、おばあちゃんの手作り。
コンビニで買ったパンやおにぎり、
出来合いのお惣菜詰め合わせ。

その思い出は常に温かいものではなく、
人によっては悲しいものかもしれない。

すごく個人的で、多様。そして正解がないもの。それがお弁当です。

働くということ。

会社勤めの人
職人
命をかけて国や人を守る人
専業主婦(主夫)

給料や内容、楽しさ・やりがいだけでは測れないもの。
そしてやっぱり、
すごく個人的で正解がないところがお弁当と似ています。

友達のお弁当を覗いた時やおかずを交換した時の新しい発見も楽しい。 これは仕事上のアイデアや意見交換とも通じていますね。

みんなで食べるのか、一人で食べるのか。
そのロケーションは?

そういうお弁当の幅広さ・奥深さと
人それぞれ違う「働くこと」
「幸せの捉え方」の気持ちを重ねて、
多種多様な表現ができるメディア、それがエス弁です。

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